■このブログ内の引用文について

本ブログは、The New England Journal of Medicine Permission Departmentより、「The New England Journal of Medicine本誌からの文単位での引用に許諾は不要」との見解をいただいた上で、運用しております。更に、「文章を抜き出してサマリーを書いてよい」との文言もいただいております。

■プロフィール

Dr. Joy

Author:Dr. Joy
ごく普通の町でごく普通に医者をやってます。
ごく普通の患者さんたちを相手にしていて、
診察室に入ってくる人が英語をしゃべったりするのは数年に1度あるかないか。
そんな私に必要な英語力って何?

■最新記事
■最新コメント
■FC2カウンター

■カテゴリ
■リンク
■検索フォーム

■月別アーカイブ
■最新トラックバック
■FC2ブログランキング
■ソーシャルブックマーク

■RSSリンクの表示
■QRコード

QRコード

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


スポンサー広告 | --:--:--
言い換え表現を探してみる: N Engl J Med 2010;363(25):2385-95.
論文の中で同じ語・表現をずっと押し通しているものもあれば、さりげなく言い換えて回していくものもあります。
ちょっと気をつけて読むとそうした著者の工夫が見つかります。

下記のタイトルをクリックすると抄録が開きます。

Cardiac-Resynchronization Therapy for Mild-to-Moderate Heart Failure (N Engl J Med 2010;363:2385-95.)

今回は「ハテナ起点」は明示されていません。

では、早速抄録を読んでいきましょう。

BACKGROUND

We evaluated whether adding CRT to an ICD and optimal medical therapy might reduce mortality and morbidity among such patients. (N Engl J Med 2010;363:2385-95.)

mortality and morbidity 死亡率と罹患率

よく見かけるペアではありますが、この話においては今ひとつピンとこない...でも大丈夫です。この続きを読めば、ピントが合ってきます。

METHODS

The primary outcome was death from any cause or hospitalization for heart failure. (N Engl J Med 2010;363:2385-95.)

ここに具体的に書かれています。つまり、
mortality → death from any cause
morbidity → hospitalization for heart failure

というわけです。うまく言い換えて説明を加えていますね。

METHODS

The primary outcome occurred in 297 of 894 patients (33.2%) in the ICD–CRT group and 364 of 904 patients (40.3%) in the ICD group (hazard ratio in the ICD–CRT group, 0.75; 95% confidence interval [CI], 0.64 to 0.87; P<0.001). (N Engl J Med 2010;363:2385-95.)

ハザード比の95%信頼区間をみると1が含まれていません。このことから、一次アウトカムにおいてICD-CRT群が有効であることがわかります。

CONCLUSIONS

Among patients with NYHA class II or III heart failure, a wide QRS complex, and left ventricular systolic dysfunction, the addition of CRT to an ICD reduced rates of death and hospitalization for heart failure. (N Engl J Med 2010;363:2385-95.)

amongのイメージを確認しておきましょう。

among
■基本イメージ
ごちゃごちゃ
雑多な集合体がイメージされています。個々のメンバーが明確に分かれて意識されていないのです。
『英単語イメージハンドブック』、青灯社、大西泰斗+ポール・マクベイ著)

実はBACKGROUNDでもamongが使われていました。気がついていましたか?
We evaluated whether adding CRT to an ICD and optimal medical therapy might reduce mortality and morbidity among such patients. (N Engl J Med 2010;363:2385-95.)

マイクとかジェーンとかという個々の顔が浮かぶ集団ではなくて、「雑多な集合体」としての対象者というイメージでしょうか。

いかがでしたか?ちょっとした語句の深みが見つかると楽しさがアップしますね。

NEJMのサイトはThe New England Journal of Medecineで見られます。abstractは無料で閲覧できますから、どうぞ。
抄録の日本語版は南江堂サイトのCurrent IssueまたはPast issuesから該当論文のものをご覧ください。1997年以降のNEJMアブストラクト和訳は発行年月と共にVol.番号とNo.番号によって並べられています。
当ブログでは発行年月はタイトルに含めていません。お手数ですが、タイトルに付記したVol.とNo.で見てくださいね。

お読みいただき、ありがとうございます。あなたのお役に立てましたでしょうか。
またのお越しをお待ちいたしております。
ブログランキング参加中。応援の1クリックをお願いします。

にほんブログ村 英語ブログ 洋書・洋楽・映画の英語へ

テーマ:医学英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

ABSTRACT | 07:44:47 | Trackback(0) | Comments(3)
コメント
はじめまして!
Dr.Joyさんのブログで取り上げていらっしゃる記事を自分でまず和訳してから、南江堂のサイトで答え合わせをし、Joyさんの着眼点を最後にチェックする、という手順で勉強を始めてみました。これからどうぞよろしくお願いします。reduce mortality and morbidity を、「生存率および病態を改善する」と試訳してみたのですが、いかがでしょうか。「morbidity = 罹患率」という言葉がこの場合しっくりこないですよね。
2010-12-20 月 15:30:43 | URL | fuse [編集]
日本語にのりにくいですよね
fuseさん、コメントありがとうございます。
まず、morbidityの訳について。ブログでも書いたように、この論文では"morbidity → hospitalization for heart failure"を指すものと考えます。従って、「退院してたのに、悪化して、病院送りになった」ということですから「改善」とは言えないのでは?"mortality and morbidity"とペアになっているのは、「死亡、とその前段階(つまり悪化して入院)」という時間的経過をひとくくりで見ているからじゃないかと思います。では日本語にどうのせるか、ということですね。南江堂の訳は「病態が減少するか」としていますね。苦心してることは認めますが、日本語になってないです(笑)。病態は「増加」したり「減少」したりしません。適切な日本語はみつけづらいのですが、「罹病(病気にかかっている)」というあたりでしょうか。平易な語でいえば「病状の悪化」ということになるでしょうね。
それから、全般的に言って南江堂の訳は「正解」訳ではありません。私は、参考となる訳例程度、に考えています。これまでに明らかな誤訳もありました(しかもその訂正はなかった)。和訳の正誤についてNEJMにフィードバックされているわけではないですし。"might be correct"ぐらいで眺めてはいかがですか?さらに、私のブログについても、「個人的雑感やら感慨」に基づいていますので、こちらも話半分くらいで読んでいただければ幸いです。
2010-12-21 火 08:28:06 | URL | Dr. Joy [編集]
ありがとうございます!
とても参考になります。reduce morbidity (病態が悪化して)入院に至るケースが減る、すなわち 、『症状が改善する』がしっくりくるかと思ったのですが、
たしかに改善まで言ってしまうと言い過ぎですね。指摘してもらわないと気づけないポイントって多いんですよね…独学で医薬翻訳を学んでみようと思っているのですが、
やっぱりなにか講座をとりたくなってきてしまいます(~_~;)
これからも楽しく読ませていただきます。よろしくお願いします。
2010-12-21 火 20:34:06 | URL | fuse [編集]
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。