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本ブログは、The New England Journal of Medicine Permission Departmentより、「The New England Journal of Medicine本誌からの文単位での引用に許諾は不要」との見解をいただいた上で、運用しております。更に、「文章を抜き出してサマリーを書いてよい」との文言もいただいております。

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ごく普通の町でごく普通に医者をやってます。
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結果の解釈はさまざま: N Engl J Med 2010;363(24):2301-9.
事実をどう解釈するか、というのは実生活においてもなかなか難しい問題です。
こと、科学論文においても、それは同じようです。

下記のタイトルをクリックすると抄録が開きます。

Telemonitoring in Patients with Heart Failure (N Engl J Med 2010;363:2301-9.)

今回の論文のきっかけとなった疑問(「ハテナ起点」)はこちらです。

Small studies suggest that telemonitoring may improve heart-failure outcomes, but its effect in a large trial has not been established. (N Engl J Med 2010;363:2301-9.)

"..., but ... not been established"のパターンですね。

では、早速抄録を読んでいきましょう。

BACKGROUND

Small studies suggest that telemonitoring may improve heart-failure outcomes, but its effect in a large trial has not been established. (N Engl J Med 2010;363:2301-9.)

mayが出てきましたね。例の「確率半々」というやつです。(『ハートで感じる英文法―NHK3か月トピック英会話 (語学シリーズ)』、NHK出版、大西泰斗、ポール・マクベイ著)現在形なので、ちょっと強めの「半々」でしょうか。

METHODS

Telemonitoring was accomplished by means of a telephone-based interactive voice-response system that collected daily information about symptoms and weight that was reviewed by the patients' clinicians. (N Engl J Med 2010;363:2301-9.)

telemonitoringの内容を説明しています。症状と体重を尋ねる自動応答システムのようですね。

The primary end point was readmission for any reason or death from any cause within 180 days after enrollment. (N Engl J Med 2010;363:2301-9.)

一次エンドポイントが記されています。

RESULTS

The telemonitoring group and the usual-care group did not differ significantly with respect to the primary end point, which occurred in 52.3% and 51.5% of patients, respectively (difference, 0.8 percentage points; 95% confidence interval [CI], -4.0 to 5.6; P=0.75 by the chi-square test). (N Engl J Med 2010;363:2301-9.)

一次エンドポイントにおいて有意差はなかったとあります。95%信頼区間を見ても、たしかに差はありませんね。

CONCLUSIONS

Among patients recently hospitalized for heart failure, telemonitoring did not improve outcomes. (N Engl J Med 2010;363:2301-9.)

予後の改善を目指して実施した試験でしたが、結果は「改善なし」でした。

The results indicate the importance of a thorough, independent evaluation of disease-management strategies before their adoption. (N Engl J Med 2010;363:2301-9.)

その結果の原因として考え得ることを提示しています。ちょっと抽象的な書き方です。具体的に何を言っているのかは,本文を見なくてはいけません。

いかがでしたか?telemonitoringの有用性は出せなかったという試験ですが、逆に見ると、通常の外来診療と同等だった、というところに外来医としては反省すべきところもあるかと感じました。「具合はどうか?」「体重は増えてないか?」で終わってしまう外来だと、機械応答のtelemonitoringと変わらないのだ、という事実を数字で見せてもらった気がしました。深く反省。

NEJMのサイトはThe New England Journal of Medecineで見られます。abstractは無料で閲覧できますから、どうぞ。
抄録の日本語版は南江堂サイトのCurrent IssueまたはPast issuesから該当論文のものをご覧ください。1997年以降のNEJMアブストラクト和訳は発行年月と共にVol.番号とNo.番号によって並べられています。
当ブログでは発行年月はタイトルに含めていません。お手数ですが、タイトルに付記したVol.とNo.で見てくださいね。

お読みいただき、ありがとうございます。あなたのお役に立てましたでしょうか。
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テーマ:医学英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

ABSTRACT | 08:24:15 | Trackback(0) | Comments(4)
コメント
Joy先生、こんにちは。

>(difference, 0.8 percentage points; 95% confidence interval >[CI], -4.0 to 5.6; P=0.75 by the chi-square test)

のところですけど、両者を比較しているんですよね?
2010-12-15 水 14:01:02 | URL | ヨシダヒロコ [編集]
結果の解釈
専門が循環器なので書かせて頂きますと、半年のフォローで両群とも半分以上が再入院や死亡というのは、心不全の中でもかなり重症な方が対象になっていると思われます。なので、毎日のTelemonitoringと同等の結果というのは凄いなと、逆に数週間に一度の外来の先生には敬服してしまうのですが・・・・・。Joy先生あまり深く反省し過ぎて落ち込まないで下さい!
電話面接だけでなく、心電図等の生体信号をTelemonitoringすればおそらく違った結果になっていたのかもしれません。また、Primary Endopointの一つが再入院ですが、入院期間が短いとか、重症度が軽いとか、そういった解析をすればこの検討でも両群間に有意差がついたかも?です。
2010-12-17 金 03:09:04 | URL | Taka [編集]
そのとおりです
ヨシダさん、コメントありがとうございます。
そうです、Telemonitor群と対照群との比較になっています。一次エンドポイントが発生した率の両群間の差について、95%の信頼度で真の差が存在する範囲は-4.0から5.6ということです。だから、Telemonitor群の方が「優っている」「同じ」「劣っている」のいずれもあり得るという結果となりました。
2010-12-18 土 07:52:12 | URL | Dr. Joy [編集]
ありがとうございます。
Takaさん、専門家からのコメント、ありがとうございます。
やはりナマで患者さんに対峙されている先生の感触は貴重ですね。
先日、参加した講演会で「ドリフターズ外来(「飯食ったか?」「風邪引くなよ」「早く寝ろよ」「じゃあまた来週」)は止めよう」という話を聞いたばっかりでしたので、余計にこたえたのかもしれませんね(笑)。
またコメントよろしくお願いします。
2010-12-18 土 07:56:39 | URL | Dr. Joy [編集]
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