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本ブログは、The New England Journal of Medicine Permission Departmentより、「The New England Journal of Medicine本誌からの文単位での引用に許諾は不要」との見解をいただいた上で、運用しております。更に、「文章を抜き出してサマリーを書いてよい」との文言もいただいております。

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ハイフンの使い方: N Engl J Med 2010;363:1324-34.
英文を読んでいると、和文ではあまり使わないような記号にしばしば出くわします。
以前にも"–" (エヌダッシュ)を取り上げました。今回は、もっと頻度の高い"-" (ハイフン)を見てみます。

下記のタイトルをクリックすると抄録が開きます。

Anti-GD2 Antibody with GM-CSF, Interleukin-2, and Isotretinoin for Neuroblastoma (N Engl J Med 2010;363:1324-34.)

タイトルで使われている記号は、じーっと見ると、どちらもハイフンですね。

今回は「ハテナ起点」は明示されていません。

では、早速抄録を読んでいきましょう。

BACKGROUND

Preclinical and preliminary clinical data indicate that ch14.18, a monoclonal antibody against the tumor-associated disialoganglioside GD2, has activity against neuroblastoma and that such activity is enhanced when ch14.18 is combined with granulocyte–macrophage colony-stimulating factor (GM-CSF) or interleukin-2. (N Engl J Med 2010;363:1324-34.)

"tumor-associated"と"colony-stimulating"はハイフン、"granulocyte–macrophage"はエヌダッシュです。
ハイフンの使い方については、ティム・アルバート先生は著書で次のように説明しています。

ハイフン(-):特にその2つの単語が関連していることを示すのに使う。More-qualified doctors (より優れた資格を持つ医師たち)とmore qualified doctors (より多くの有資格医師たち)といった具合に、ハイフンは混乱を防ぐのに役に立つ。 (速習!医療系のための英語論文作成術、ティム・アルバート著、東京図書)

ハイフンとエヌダッシュやエムダッシュの使い分けはどうなってるのでしょうか?
これについては、The Chicago Manual of style (15ed.)[註:最新は16ed.です。]に次のように説明されています。

6.85 (前略)As illustrated by the first four examples below, en dashes separate the main elements of the new compounds more clearly than hyphens would ("hospital" versus "nursing home," "post" versus "World War II," etc.), thus preventing ambiguity. In the last two examples, however, to have used en dashes between "non" and "English" and between "user" and "designed" would merely have created an awkward asymmetry: the meaning is clear with hyphens.

the post–World War II years
a hospital–nursing home connection
a nursing home–home care policy
a quasi-public–quasi-judicial body (or, better, a judicial body that is quasi-public and quasi-judicial)
but
non-English-speaking peoples
a wheelchair-user-designed environment (or, better, an environment designed for wheel-chair users)
(The Chicago Style of Manual 15ed.より抜粋)

ハイフンでつなぐのは、つないだ語全体としての意味をはっきりさせたいときであり、エヌダッシュでは合成語を構成しているそれぞれの語を対立(対応)させて表記したいとき、ということになるのでしょうか。
元文に戻って考えると、確かに"granulocyte–macrophage"ではエヌダッシュらしく、前後の語は対応していますね。

METHODS

Patients with high-risk neuroblastoma who had a response to induction therapy and stem-cell transplantation were randomly assigned, in a 1:1 ratio, to receive standard therapy (six cycles of isotretinoin) or immunotherapy (six cycles of isotretinoin and five concomitant cycles of ch14.18 in combination with alternating GM-CSF and interleukin-2). (N Engl J Med 2010;363:1324-34.)

ここは全部、ハイフンです。

Event-free survival and overall survival were compared between the immunotherapy group and the standard-therapy group, on an intention-to-treat basis. (N Engl J Med 2010;363:1324-34.)

ここも全部ハイフンですね。"standard-therapy"のハイフンはなくてもよさそうですが、ひとかたまりにしておきたかったのでしょうか。

RESULTS

The median duration of follow-up was 2.1 years. (N Engl J Med 2010;363:1324-34.)

ここもハイフンです。

CONCLUSIONS

Immunotherapy with ch14.18, GM-CSF, and interleukin-2 was associated with a significantly improved outcome as compared with standard therapy in patients with high-risk neuroblastoma. (N Engl J Med 2010;363:1324-34.)

全部ハイフンでしたね。

いかがでしたか?こうしてハイフンばかり抜き出して眺めてみると、なんとなくではありますが、使い方の感触がつかめる気がします。

NEJMのサイトはThe New England Journal of Medecineで見られます。abstractは無料で閲覧できますから、どうぞ。
抄録の日本語版は南江堂サイトへ。

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テーマ:医学英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

ABSTRACT | 06:43:10 | Trackback(0) | Comments(4)
コメント
こんにちは。エヌダッシュって、どのキーで出るんでしょうか?
2010-10-08 金 16:16:16 | URL | ヨシダヒロコ [編集]
エヌダッシュはこうして入れます
エムダッシュはキーボードからではなく、「特殊文字」から選択して入力になります。これは「日本語仕様だから」ではなく、万国共通のようです。クライダー先生の「速引!医学語ブック」では次の解説があります。
全角ダッシュ(註:エムダッシュのこと)キーボードの上にはないので、特殊文字として文書に挿入しないといけない。最新のMicrosoft(R) Word(R)では、全角ダッシュを入れたい場所にカーソルを置いて、上部のツールバーに行き、"insert (挿入)"タブをクリックし、ツールバー右側に移動し、"symbol(記号と特殊文字)"をクリックする。(後略)
半角ダッシュ(エヌダッシュ)も同様にして入れます。Firefoxだと「編集」のところに「特殊文字」があります。
私もずーっとわからなくて、この本ではじめて知りましたよ。
2010-10-09 土 06:28:41 | URL | Dr. Joy [編集]
こんにちは。ハイフンとエヌダッシュについてまだ分からないので、ぐぐったらやはりここが出てきました。2度目に読んで少し分かりましたが、なかなか難しいですね。
2010-11-13 土 16:34:37 | URL | ヨシダヒロコ [編集]
またここに...
ヨシダさん、またここに戻ってきてしまったとは、なんだか申し訳ないです。
見た目は、もう眼をぐりぐりと凝らして見分けるしかないです。
そして、使い方は、用例を集めて、自分なりに「なーるほど」となるのが結局は近道だと思います。その気で見ると、NEJMの抄録でも用例は出てますよ。
2010-11-13 土 21:04:29 | URL | Dr. Joy [編集]
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