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本ブログは、The New England Journal of Medicine Permission Departmentより、「The New England Journal of Medicine本誌からの文単位での引用に許諾は不要」との見解をいただいた上で、運用しております。更に、「文章を抜き出してサマリーを書いてよい」との文言もいただいております。

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Dr. Joy

Author:Dr. Joy
ごく普通の町でごく普通に医者をやってます。
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ルーチンを見直す: N Engl J Med 2010;363:1107-16.
だいたいどんな仕事でもある程度の型といいますか、手順があります。
それをルーチンとして回していけばそれはそれで淡々と仕事はこなせていけるのですが、定期的にそれが本当に有用なことのなのか、ということを検証していく必要があります。

下記のタイトルをクリックすると抄録が開きます。

Neuromuscular Blockers in Early Acute Respiratory Distress Syndrome (N Engl J Med 2010;363:1107-16.)

今回、「ハテナ起点」は明示されていません。

では、早速抄録を読んでいきましょう。

BACKGROUND

In patients undergoing mechanical ventilation for the acute respiratory distress syndrome (ARDS), neuromuscular blocking agents may improve oxygenation and decrease ventilator-induced lung injury but may also cause muscle weakness. (N Engl J Med 2010;363:1107-16.)

ARDSの治療で人工呼吸器をつなぐとき、神経筋遮断薬を使用する、というのはいわゆるルーチンに近いのではないのではないでしょうか。ここでは、その意義と弊害について、どちらにも"may"を使って問題提起を行っています。

METHODS

The primary outcome was the proportion of patients who died either before hospital discharge or within 90 days after study enrollment (i.e., the 90-day in-hospital mortality rate), adjusted for predefined covariates and baseline differences between groups with the use of a Cox model. (N Engl J Med 2010;363:1107-16.)

一次アウトカムが記載されています。これを見ると、筋力低下というデメリットよりもむしろ、救命効果といったメリットの検証を目指しているようです。

RESULTS

The hazard ratio for death at 90 days in the cisatracurium group, as compared with the placebo group, was 0.68 (95% confidence interval [CI], 0.48 to 0.98; P=0.04), after adjustment for both the baseline PaO2:FIO2 and plateau pressure and the Simplified Acute Physiology II score. (N Engl J Med 2010;363:1107-16.)

確かに、ハザード比0.68で有意差もあります。でもここで、95%信頼区間(95% confidence interval [CI])を見てみます。95% confidence interval [CI], 0.48 to 0.98ということは、ハザード比は最大0.98にはなり得ることがわかります。ハザード比が1になると、両者とんとん、変わりなし、ということですから、0.98だと、「ちょっとだけいいか」と解釈することもできます。そのあたりの解釈は、解釈する人の主観に依るところが大きいでしょう。1より少しでも小さければ十分OKと考える場合もあるでしょう。ここで、おそらく、「筋力低下」というデメリットを考慮する必要が生じてくるのではないかと思います。例えば、ハザード比が例えば0.98であったとき、著しい筋力低下が起こるのであれば、患者さんのさまざまなバックグラウンドを考えて、この薬を使用するかどうか慎重に考えなくてはいけない局面もあるでしょう。

CONCLUSIONS

In patients with severe ARDS, early administration of a neuromuscular blocking agent improved the adjusted 90-day survival and increased the time off the ventilator without increasing muscle weakness. (N Engl J Med 2010;363:1107-16.)

結果の繰り返しになります。ただ、下線部で、上で考えたような内容が付記されています。「筋力低下なしに」と書かれていますね。

いかがでしたか?(私の場合)数値は飛ばして読みがちでしたが、立ち止まって自分の頭で考えてみると新しく見えてくることもあるなあ、と思った一編でした。

NEJMのサイトはThe New England Journal of Medecineで見られます。abstractは無料で閲覧できますから、どうぞ。
抄録の日本語版は南江堂サイトへ。

お読みいただき、ありがとうございます。あなたのお役に立てましたでしょうか。
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少しお時間の許す方は、こちらのブログ記事(NOW@NEJM)もご一読を。

Is Less Really More? Neuromuscular blockers in Early Acute Respiratory Distress Syndrome

テーマ:医学英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

ABSTRACT | 06:10:17 | Trackback(0) | Comments(0)
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