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本ブログは、The New England Journal of Medicine Permission Departmentより、「The New England Journal of Medicine本誌からの文単位での引用に許諾は不要」との見解をいただいた上で、運用しております。更に、「文章を抜き出してサマリーを書いてよい」との文言もいただいております。

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強化療法は流行なのか?:N Engl J Med 2010;363:918-29.
NEJMの抄録をずっと読んでいますが、しばしば"intensive control"という語句を目にします。
日本語で言えば「強化療法」とでもいうのでしょうか。DMにしろ高血圧にしろ、これを取り扱った論文が少なからずあります。

下記のタイトルをクリックすると抄録が開きます。

Intensive Blood-Pressure Control in Hypertensive Chronic Kidney Disease (N Engl J Med 2010;363:918-29.)

今回の「ハテナ起点」はこちら。

Yet few trials have tested whether intensive blood-pressure control retards the progression of chronic kidney disease among black patients. (N Engl J Med 2010;363:918-29.)

「以下のような試験は行われてこなかった」という意味です。これは使えそう。

では、早速抄録を読んでいきましょう。

BACKGROUND

In observational studies, the relationship between blood pressure and end-stage renal disease (ESRD) is direct and progressive. (N Engl J Med 2010;363:918-29.)

observational studies 観察研究

『医薬研究者のための研究デザインに合わせた統計手法の選び方』 (奥田千恵子著、金芳堂)では次のように説明しています。

(前略)被験者に対してほとんど制御を加えず、血液検査や身体機能測定、聞き取り調査だけを行っています。このような研究は観察研究(observation study)と呼ばれます。

これに対応するのが「実験研究」です。

これに対して、研究者により被験者が制御されている研究が実験研究(experimental study)です。臨床的な実験研究は介入研究(intervention study)とも呼ばれます。(同書より引用)

今回の検討は「介入研究」に該当します。

METHODS

The primary clinical outcome in the cohort phase was the progression of chronic kidney disease, which was defined as a doubling of the serum creatinine level, a diagnosis of ESRD, or death. (N Engl J Med 2010;363:918-29.)

コホート相での一次アウトカムをCKDの進行と規定しています。

RESULTS

In both phases, there was no significant between-group difference in the risk of the primary outcome (hazard ratio in the intensive-control group, 0.91; P=0.27). (N Engl J Med 2010;363:918-29.)

一次アウトカムで有意差は出なかったとあります。内訳は示されていないので、CKDの進行として定義されたどの項目がどうだったのかは本文を読まなくてはわかりません。

CONCLUSIONS

In overall analyses, intensive blood-pressure control had no effect on kidney disease progression. (N Engl J Med 2010;363:918-29.)

結果を言い直しています。

However, there may be differential effects of intensive blood-pressure control in patients with and those without baseline proteinuria. (N Engl J Med 2010;363:918-29.)

「しかしながら」というわけで、"However,... may"で五分五分の可能性がある項目を示唆して締めにしています。次の研究の一次アウトカムはこのへんに設定するのでしょうね。

いかがでしたか?
日常診療において「よし強化療法だ」と意識して治療した経験は残念ながら私にはありません。でも、病状を評価・層別化して、治療法を段階的に変えてみる、というのはやってみると有用なケースもあるかもしれませんね。

NEJMのサイトはThe New England Journal of Medecineで見られます。abstractは無料で閲覧できますから、どうぞ。
抄録の日本語版は南江堂サイトへ。

お読みいただき、ありがとうございます。あなたのお役に立てましたでしょうか。
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テーマ:医学英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

ABSTRACT | 06:42:52 | Trackback(0) | Comments(0)
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