■このブログ内の引用文について

本ブログは、The New England Journal of Medicine Permission Departmentより、「The New England Journal of Medicine本誌からの文単位での引用に許諾は不要」との見解をいただいた上で、運用しております。更に、「文章を抜き出してサマリーを書いてよい」との文言もいただいております。

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Dr. Joy

Author:Dr. Joy
ごく普通の町でごく普通に医者をやってます。
ごく普通の患者さんたちを相手にしていて、
診察室に入ってくる人が英語をしゃべったりするのは数年に1度あるかないか。
そんな私に必要な英語力って何?

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週イチ統計を読む: N Engl J Med 2010;362:2260-70.
週イチ統計シリーズ、続けます。
今回取り上げる論文は下記のものです。クリックすると抄録が開きます。

Dasatinib versus Imatinib in Newly Diagnosed Chronic-Phase Chronic Myeloid Leukemia (N Engl J Med 2010;362:2260-70.)

これもまた、全文無料閲覧ではありません。最寄りの図書館などで閲覧してくださいね。

前回の論文同様、こちらもCML治療に関する内容です。どんな統計を使っているでしょうか?
まずはアブストラクトを読んで、内容をざっとつかんでみましょう。
そうしておいて、統計処理予想を立ててみるのも、チカラになりますよ。

参考図書は同じく、次の通り。

臨床医による臨床医のための本当はやさしい臨床統計―一流論文に使われる統計手法はこれだ! (EBMライブラリー)  (野村英樹/松倉知晴著、中山書店)【略称:やさ臨】

ドキドキワクワク論文☆吟味。医学統計ライブスタイル (山崎力著、SCICUS)【略称:ドキワク】

医療系研究論文の読み方・まとめ方――論文のPECOから正しい統計的判断まで (対馬栄輝著、東京図書)【略称:読みまと】

すぐわかる統計用語 (石村貞夫/デズモンド・アレン著、東京図書)【略称:すぐわか】

では、DPESに沿って見ていきましょう。

[D:研究デザイン]

In a multinational study, 519 patients with newly diagnosed chronic-phase CML were randomly assigned to receive dasatinib at a dose of 100 mg once daily (259 patients) or imatinib at a dose of 400 mg once daily (260 patients). (N Engl J Med 2010;362:2260-70.)

これは、アブストラクトの文章です。多国間にわたる研究だとわかります。
本文ではどうでしょうか?

DASISION was an open-label, multinational, randomized phase 3 trial. (N Engl J Med 2010;362:2260-70.)

お目当ての表記がありました。オープンラベル多国間ランダム試験、とあります。

[P:パワー計算]


これについての情報は本誌にも掲載されていません。web上のprotocolに記載されていました。

For sample size
estimation, the CCyR rate within 12 months of dasatinib treatment shall be assumed to be 81%. Based on
this assumption this study requires 518 subjects. With a two-sided α = 0.05 and power of 90%, this is the
number of subjects needed to show a statistical significant difference in 12-month CCyR rates between two
arms when the 12-month CCyR rates in the imatinib 400 mg QD arm and the dasatinib 100 mg QD arm are
assumed to be 69% and 81% respectively.

(N Engl J Med 2010;362:2260-70.)

やさ臨に従って、パワー計算に必要な情報をチェックしてみます。
・アウトカムの種類:二者択一
・許容できるαエラーとβエラー:αエラーは5%、βエラーは10%
・「臨床的に意義がある」と考える差の大きさ:対照群69%と比してCCyR率12%の増加
・実験群と対照群のnの比:1

[E:一次エンドポイント]

この情報はアブストラクトにありました。

The primary end point was complete cytogenetic response by 12 months, confirmed on two consecutive assessments at least 28 days apart. (N Engl J Med 2010;362:2260-70.)

前回と異なり、この論文では12ヵ月語のcomplete cytogenetic responseを一次エンドポイントとしています。これは、前回の論文だと二次エンドポイントに入っていました。

[S:統計]

All the efficacy analyses were performed on the basis of the intention-to-treat principle. (N Engl J Med 2010;362:2260-70.)

ITT解析を実施しています。

The primary end point was tested at a significance level of 0.05 with the use of the Cochran–Mantel–Haenszel test, with adjustment for stratification according to the Hasford score. (N Engl J Med 2010;362:2260-70.)

今回もなんとCMH testでした。内訳分類にHasford scoreを使っているものの、考え方(内訳のある集合について、介入の有効率を比較する)が同じだからですね。
さすがにふたつ連続して読むと、なんとなくわかったような気分になります。

[吟味]

ワクドキ式吟味では、絶対リスクを見ます。
この論文の結果を見てみましょう。

The rate of a confirmed complete cytogenetic response by 12 months was significantly higher among patients receiving dasatinib than among patients receiving imatinib (77% vs. 66%, P=0.007) (Table 3). (N Engl J Med 2010;362:2260-70.)

dasatinib群で77%、imatinib群で66%の成績でしたから、絶対リスクは77-66=11(%)となります。
するとNNT (number needed to treat)は次のようになります。
100/11=9.1(人)
これは、9.1人の患者さんを1年間dasatinibのプロとコールで治療すると1人にCCCyRが得られる、という意味になります。(ドキワクを参考にしています。)

さて、
研究の計画としては、それぞれ81%、69%でした。

With a two-sided α = 0.05 and power of 90%, this is the
number of subjects needed to show a statistical significant difference in 12-month CCyR rates between two
arms when the 12-month CCyR rates in the imatinib 400 mg QD arm and the dasatinib 100 mg QD arm are
assumed to be 69% and 81% respectively.
(N Engl J Med 2010;362:2260-70.)

予想していたほどは有効率が上がらなかった、ともいえますが、どう解釈しますか。

前回よりは少し読めたかな、という感触ですが、まだまだですね。更に勉強を続けますね。

NEJMのサイトはThe New England Journal of Medecineで見られます。abstractは無料で閲覧できますから、どうぞ。
抄録の日本語版は南江堂サイトへ。

お読みいただき、ありがとうございます。あなたのお役に立てましたでしょうか。
またのお越しをお待ちいたしております。
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前回は思いがけず、拍手を2つもいただきありがとうございます。
統計は苦手項目なので、勉強しつつ、その内容開示、という趣旨です。
お気づきの点がありましたら、コメントで教えてくださいね。
よろしくお願いします。

テーマ:医学英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

Statistics | 14:44:57 | Trackback(0) | Comments(0)
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