■このブログ内の引用文について

本ブログは、The New England Journal of Medicine Permission Departmentより、「The New England Journal of Medicine本誌からの文単位での引用に許諾は不要」との見解をいただいた上で、運用しております。更に、「文章を抜き出してサマリーを書いてよい」との文言もいただいております。

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Dr. Joy

Author:Dr. Joy
ごく普通の町でごく普通に医者をやってます。
ごく普通の患者さんたちを相手にしていて、
診察室に入ってくる人が英語をしゃべったりするのは数年に1度あるかないか。
そんな私に必要な英語力って何?

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週イチ!統計を読む: N Engl J Med 2009;361:2019-32.
英語がわからなければ英語文献は読めないわけですが、英語が読めればその文献は理解できるのか、というと、それはそうではありませんね。
これまでずっと抄録を中心に読んできました。「英文」としては読みこなしてきたつもりですが、内容まで、特に統計的な内容まで踏み込んではいませんでした。
統計には明るくないので、スルーしてきましたが、この際、勉強してみることにします。
現在、使用中のテキストはこちら。
臨床医による臨床医のための本当はやさしい臨床統計―一流論文に使われる統計手法はこれだ! (EBMライブラリー) 野村秀樹/松倉知晴著、中山書店 (以下、「本当はやさしい臨床統計)
まずは、週1本統計処理が記載されている論文を選び、詳しく読んでみます。
無料閲覧論文ばかりにはならないので、興味があれば本誌を手にとって見てください。なお、定期購読者はOnlineで全文閲覧できます。

ではまず、第1回目はこちら。リンクはAbstractに貼っています。
A Trial of Darbepoetin Alfa in Type 2 Diabetes and Chronic Kidney Disease (N Engl J Med 2009;361:2019-32.)

本文のMETHODSを中心に見てみます。
まず、研究デザイン。
The TREAT was a randomized, double-blind, placebo-controlled trial conducted at 623 sites in 24 countries (see the Supplementary Appendix, available with the full text of this article at NEJM.org). (N Engl J Med 2009;361:2019-32.)
 ランダム化二重盲検比較試験を行っています。

次に、必要対象者数を出すパワー計算を見ます。
パワー計算というのは、「どの程度の差があれば臨床的に意味があると考えるかを決める」のに必要なサンプル(いわゆるn)の数を指します(「本当はやさしい臨床統計」より)。
これはStatistical Analysisに書かれていました。
The trial was event driven, with a total of 1203 cardiovascular composite events required to provide 80% statistical power to detect a 20% risk reduction for this outcome, with a two-sided type I error of 0.048 (unadjusted for interim analyses). We aimed to enroll approximately 4000 patients; assumptions included an annualized rate of events in the placebo group of 12.5%, a 15% loss to follow-up, and attenuation of the treatment effect due to the anticipated use of ESAs in patients who had progression to end-stage renal disease. (N Engl J Med 2009;361:2019-32.)
(追記)
「本当はやさしい臨床統計」によれば、nの数はこうして決まります。
1. アウトカムの種類:二者択一か、連続量か
2. 許容できるαエラーとβエラーの範囲
3. 「臨床的に意義がある」と考える差の大きさ
4. アウトカム測定上のばらつき(分散、標準偏差)...連続量のみ
5. 実験群と対照群のnの非:実験群1に対して対照群1が最も効率的

(臨床医による臨床医のための本当はやさしい臨床統計 野村秀樹/ 松倉知晴著)
これで当てはめると、
1. 二者択一
2. αエラー: 0.048、βエラー:0.20
3. 20%のリスク減少
というところまで、わかります。
その次には、何を一次エンドポイントとしたかを見ます。
Evaluation of Outcomes
The primary end points were the time to the composite outcome of death from any cause or a cardiovascular event (nonfatal myocardial infarction, congestive heart failure, stroke, or hospitalization for myocardial ischemia) and the time to the composite outcome of death or end-stage renal disease (see the Supplementary Appendix).
(N Engl J Med 2009;361:2019-32.)
 一次エンドポイントは「何らかの原因あるいは心血管イベントによる死亡を複合アウトカムとした時間」と「死亡あるいは末期腎疾患を複合アウトカムとした時間」となっています。それぞれについては、
The overall alpha level for the primary end points was split: 0.048 for the cardiovascular composite outcome and 0.002 for the renal composite outcome. (N Engl J Med 2009;361:2019-32.)
αエラー値を変えて設定してますね。

本日はここまで。
統計の部分については次回に。

NEJMのサイトはThe New England Journal of Medecineで見られます。abstractは無料で閲覧できますから、どうぞ。
抄録の日本語版は南江堂サイトへ。

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いかがでしょうか。
書いている本人が「ほぼわからん」状況なのですが、ご紹介したテキストの手法に沿って実際に考えてみる、という内容にしてみました。
コメントいただけるとありがたいです。

テーマ:医学英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

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