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本ブログは、The New England Journal of Medicine Permission Departmentより、「The New England Journal of Medicine本誌からの文単位での引用に許諾は不要」との見解をいただいた上で、運用しております。更に、「文章を抜き出してサマリーを書いてよい」との文言もいただいております。

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読みづらい理由を考える:N Engl J Med 2009;360:765-73.
英語力の問題は別として、論旨の流れがスムーズに頭に入ってくる論文とそうでない論文があります(注:私の場合)。今回の論文はまさに後者で、どうもすっきりとしません。あとで、その理由を考えてみます。
下記のタイトルをクリックすると抄録が開きます。

IDH1 and IDH2 Mutations in Gliomas (N Engl J Med 2009;360:765-73.)

すっきりしない原因のひとつかもしれませんが、ここでは「ハテナ起点」がはっきりしません。

まずは、抄録を読んでみましょう。

BACKGROUND

A recent genomewide mutational analysis of glioblastomas (World Health Organization [WHO] grade IV glioma) revealed somatic mutations of the isocitrate dehydrogenase 1 gene (IDH1) in a fraction of such tumors, most frequently in tumors that were known to have evolved from lower-grade gliomas (secondary glioblastomas). (N Engl J Med 2009;360:765-73.)

1文からなっています。ここでこの論文の主題を提示しています。「glioblastomaの遺伝子変異について述べるつもりなんだな。そしてその変異はsecondary glioblastomaに多いとされているのだな」ということがわかります。この時点では、「だから何を調べるつもりなのか?」ということは不明です。

METHODS

We determined the sequence of the IDH1 gene and the related IDH2 gene in 445 central nervous system (CNS) tumors and 494 non-CNS tumors. (N Engl J Med 2009;360:765-73.)

CNS tumorと非CNS tumorにおいて遺伝子変異を調べたといっています。ここで唐突に対象がズームアウトしているので、読んでいる側(私)はなかなか視点がついていきません。

The enzymatic activity of the proteins that were produced from normal and mutant IDH1 and IDH2 genes was determined in cultured glioma cells that were transfected with these genes. (N Engl J Med 2009;360:765-73.)

ここでやっと、gliomaに戻ってきます。gliomaの培養細胞から遺伝子変異産物を調べたといっています。

RESULTS

We identified mutations that affected amino acid 132 of IDH1 in more than 70% of WHO grade II and III astrocytomas and oligodendrogliomas and in glioblastomas that developed from these lower-grade lesions. (N Engl J Med 2009;360:765-73.)

ここで挙げられているのはどれもCNS tumorです。非CNS tumorはどうなったのかには触れられていません。そのため、この変異がCNS tumorに特徴的なものなのかどうかも抄録の範囲ではわかりません。以下、遺伝子変異によって、遺伝的臨床的特徴や予後について比較検討していますが、そもそもそれらのことについてはここで初出の話題であり、METHODSでは触れられていませんでした。

CONCLUSIONS

Mutations of NADP+-dependent isocitrate dehydrogenases encoded by IDH1 and IDH2 occur in a majority of several types of malignant gliomas. (N Engl J Med 2009;360:765-73.)

NADP+-dependent isocitrate dehydrogenases

いきなり最後の最後でこのようなものに出くわすと、私など門外漢は非常に面喰います。結局、なにがわかったのか?こういう変異が二次的glioblastomaだけではなく悪性度の高いgliomaの大部分でみられた、ということがわかったということでいいのでしょうか。ここまで読んで、「あ~、そういう研究だったんだ...」とわかった次第です。

この抄録が(私に)理解しにくかった理由としては、
 論旨の道筋が読めなかった
ことに尽きます。まだまだ修行が足りませんね。

NEJMのサイトはThe New England Journal of Medecineで見られます。abstractは無料で閲覧できますから、どうぞ。

抄録の日本語版は南江堂サイトへ。


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テーマ:医学英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

ABSTRACT | 07:45:53 | Trackback(0) | Comments(0)
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