■このブログ内の引用文について

本ブログは、The New England Journal of Medicine Permission Departmentより、「The New England Journal of Medicine本誌からの文単位での引用に許諾は不要」との見解をいただいた上で、運用しております。更に、「文章を抜き出してサマリーを書いてよい」との文言もいただいております。

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Dr. Joy

Author:Dr. Joy
ごく普通の町でごく普通に医者をやってます。
ごく普通の患者さんたちを相手にしていて、
診察室に入ってくる人が英語をしゃべったりするのは数年に1度あるかないか。
そんな私に必要な英語力って何?

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人はお金で動くのか?:N Engl J Med 2009;360:699-709.
このところのご時世で懐がさびしくなったとか、はたまた、タバコ増税とかで、禁煙を考えている方もいらっしゃるかと思います。
皆さんの抱える大問題としては「どうやったら、やめられるか?」ということに尽きます。
今回、The New England Journal of Medicine Feb.12, 2009号掲載のSpecial Articleはまさにその問題を扱ったものです。
以下のタイトルをクリックすると抄録が開きます。

A Randomized, Controlled Trial of Financial Incentives for Smoking Cessation (N Engl J Med 2009;360:699-709.)

「金銭インセンティブでタバコはやめられるか?」ということですね。

では早速、抄録を読んでみましょう。

BACKGROUND

Smoking is the leading preventable cause of premature death in the United States. (N Engl J Med 2009;360:699-709.)

preventable cause 防止できる要因
 ここの"preventable"がいいですね。ウィットを感じます。

Previous studies of financial incentives for smoking cessation in work settings have not shown that such incentives have significant effects on cessation rates, but these studies have had limited power, and the incentives used may have been insufficient. (N Engl J Med 2009;360:699-709.)
 
 ここが「ハテナ起点」になります。「これまでの検討では、研究の検出力が弱く、金銭インセンティブもしょぼかった」ので、今回はしっかりやってみた、というのでしょう。さあ、どんなインセンティブにしたのでしょう。

METHODS

The financial incentives were $100 for completion of a smoking-cessation program, $250 for cessation of smoking within 6 months after study enrollment, as confirmed by a biochemical test, and $400 for abstinence for an additional 6 months after the initial cessation, as confirmed by a biochemical test. (N Engl J Med 2009;360:699-709.)

 禁煙プログラムを完了したら100ドル、6か月以内に禁煙したら250ドル、さらに半年吸わなかったら400ドル、というインセンティブです。これが実施された頃のレートからすると、円換算で禁煙成功者には約80000円(1ドル110円換算)がもらえるというものですから、これはかなり魅力的ですね。

The primary end point was smoking cessation 9 or 12 months after enrollment, depending on whether initial cessation was reported at 3 or 6 months. (N Engl J Med 2009;360:699-709.)

 一次エンドポイントは「9ないし12ヶ月後の禁煙」と設定しています。

Secondary end points were smoking cessation within the first 6 months after enrollment and rates of participation in and completion of smoking-cessation programs. (N Engl J Med 2009;360:699-709.)

 二次エンドポイントは「最初6か月の禁煙、禁煙プログラムへの参加率、プログラム完了率」と設定しています。さあ、結果が気になりますね。

RESULTS

The incentive group had significantly higher rates of smoking cessation than did the information-only group 9 or 12 months after enrollment (14.7% vs. 5.0%, P<0.001) and 15 or 18 months after enrollment (9.4% vs. 3.6%, P<0.001). (N Engl J Med 2009;360:699-709.)

 9ないし12ヶ月後の禁煙率はインセンティブ群で14.7%、対照群で5.0%と圧倒的に有意差が出ています。さらに、15ないし18ヶ月後でも9.4%対3.6%とインセンティブ群では禁煙が続いています。

Incentive-group participants also had significantly higher rates of enrollment in a smoking-cessation program (15.4% vs. 5.4%, P<0.001), completion of a smoking-cessation program (10.8% vs. 2.5%, P<0.001), and smoking cessation within the first 6 months after enrollment (20.9% vs. 11.8%, P<0.001). (N Engl J Med 2009;360:699-709.)

 インセンティブ群ではプログラムへの参加率、完了率とも高く、最初の6か月での禁煙率も高くなっています。

CONCLUSIONS

In this study of employees of one large company, financial incentives for smoking cessation significantly increased the rates of smoking cessation. (N Engl J Med 2009;360:699-709.)

smoking cessation 禁煙
 一文の中で同一語句が繰り返されています。くどい感じもしますが、重要な語句だ、という著者らの意識の表出でしょうか。

 かなり思い切った額でしたが、それでも禁煙できない人がいるというのは逆に興味深いですね。また、今回の数字をどう解釈するか、というのも議論の対象になりそうです。「従業員ひとりを禁煙させるのに企業は8万円を支出しなくてはならないのか」というのは健康活動を進める上でよく考えなくてはならない問題ですねえ。

 この論文は残念ながらFREEではないので、サイトでは抄録しか読めません。もしご興味があれば、図書館などで本文を読んでくださいね。

NEJMのサイトはThe New England Journal of Medecineで見られます。abstractは無料で閲覧できますから、どうぞ。

抄録の日本語版は南江堂サイトへ。


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テーマ:医学英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

ABSTRACT | 06:19:46 | Trackback(0) | Comments(0)
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