■このブログ内の引用文について

本ブログは、The New England Journal of Medicine Permission Departmentより、「The New England Journal of Medicine本誌からの文単位での引用に許諾は不要」との見解をいただいた上で、運用しております。更に、「文章を抜き出してサマリーを書いてよい」との文言もいただいております。

■プロフィール

Dr. Joy

Author:Dr. Joy
ごく普通の町でごく普通に医者をやってます。
ごく普通の患者さんたちを相手にしていて、
診察室に入ってくる人が英語をしゃべったりするのは数年に1度あるかないか。
そんな私に必要な英語力って何?

■最新記事
■最新コメント
■FC2カウンター

■カテゴリ
■リンク
■検索フォーム

■月別アーカイブ
■最新トラックバック
■FC2ブログランキング
■ソーシャルブックマーク

■RSSリンクの表示
■QRコード

QRコード

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


スポンサー広告 | --:--:--
タイトルで"?"と思ったら: N Engl J Med 2010;363(25):2406-15.
本の題でも子どもの名前でも、名付け、というのはなかなか難しいものです。
論文のタイトルを長すぎず短すぎず、わかりやすくかつ興味を引くようにつける、これも大変なことです。

下記のタイトルをクリックすると抄録が開きます。

Safety of Anacetrapib in Patients with or at High Risk for Coronary Heart Disease (N Engl J Med 2010;363:2406-15.)

このタイトル、ぱっと見で意味が取れますか?
私は"or"が何と何を結んでいるのか、続きを読むまではっきりわかりませんでした。

今回は「ハテナ起点」はありません。

では、早速抄録を読んでいきましょう。

BACKGROUND

Anacetrapib is a cholesteryl ester transfer protein inhibitor that raises high-density lipoprotein (HDL) cholesterol and reduces low-density lipoprotein (LDL) cholesterol. (N Engl J Med 2010;363:2406-15.)

ここでは今回の検討対象となった薬剤について解説しています。

METHODS

We conducted a randomized, double-blind, placebo-controlled trial to assess the efficacy and safety profile of anacetrapib in patients with coronary heart disease or at high risk for coronary heart disease. (N Engl J Med 2010;363:2406-15.)

ここにタイトルでわからなかった語句のヒントがあります。
タイトルの"with"のあとには"coronary heart disease"が省略されていたのですね。

RESULTS

The prespecified Bayesian analysis indicated that this event distribution provided a predictive probability (confidence) of 94% that anacetrapib would not be associated with a 25% increase in cardiovascular events, as seen with torcetrapib. (N Engl J Med 2010;363:2406-15.)

ここで突然、別の薬剤であるtorcetrapibが出てきます。本文では前もって言及してあるのでしょうが、抄録を読んでいる限りでは唐突感は否めませんね。

CONCLUSIONS

Treatment with anacetrapib had robust effects on LDL and HDL cholesterol, had an acceptable side-effect profile, and, within the limits of the power of this study, did not result in the adverse cardiovascular effects observed with torcetrapib. (N Engl J Med 2010;363:2406-15.)

robust 強い

なるほどtoretrapibには下線部のような有害作用があったのですね。それを既知のこととして書かれたようです。

いかがでしたか?読み手にやや不親切な、ちょっと強引な書きぶりだったかな、という印象でした。タイトルももう一度よく読むと、一次エンドポイントのうちの一部である安全性だけをうたっていますね。

NEJMのサイトはThe New England Journal of Medecineで見られます。abstractは無料で閲覧できますから、どうぞ。
抄録の日本語版は南江堂サイトのCurrent IssueまたはPast issuesから該当論文のものをご覧ください。1997年以降のNEJMアブストラクト和訳は発行年月と共にVol.番号とNo.番号によって並べられています。
当ブログでは発行年月はタイトルに含めていません。お手数ですが、タイトルに付記したVol.とNo.で見てくださいね。

お読みいただき、ありがとうございます。あなたのお役に立てましたでしょうか。
またのお越しをお待ちいたしております。
ブログランキング参加中。応援の1クリックをお願いします。

にほんブログ村 英語ブログ 洋書・洋楽・映画の英語へ

スポンサーサイト

テーマ:医学英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

ABSTRACT | 06:40:01 | Trackback(0) | Comments(2)
nが小さくても:N Engl J Med 2010;363(25):2396-405.
統計的にサンプルサイズの決めるには、それまでに裏付けとなる研究が必要です。
その土台に不安があると、研究そのものも、たとえ結果が出たとしても、インパクトが弱くなります。

下記のタイトルをクリックすると抄録が開きます。

Teriparatide and Osseous Regeneration in the Oral Cavity (N Engl J Med 2010;363:2396-405.)

今回は研究のきっかけとなった「ハテナ起点」が記載されています。

Although teriparatide has been evaluated for the treatment of osteoporosis and for the healing of fractures, clinical trials evaluating it for the treatment of osseous conditions of the oral cavity in humans are lacking. (N Engl J Med 2010;363:2396-405.)

"Although ... , ... is lacking."というパターンですね。

では、早速抄録を読んでいきましょう。

BACKGROUND

Intermittent administration of teriparatide, a drug composed of the first 34 amino acids of parathyroid hormone, has anabolic effects on bone. (N Engl J Med 2010;363:2396-405.)

下線部でteriparatideの説明を加えています。

METHODS

A total of 40 patients with severe, chronic periodontitis underwent periodontal surgery and received daily injections of teriparatide (20 μg) or placebo, along with oral calcium (1000 mg) and vitamin D (800 IU) supplementation, for 6 weeks. (N Engl J Med 2010;363:2396-405.)

サンプルサイズが40となっています。
「なんだか少ないなあ」と感じたら、それは「いい直観」です。

RESULTS

No serious adverse events were reported; however, the number of patients in the study was small. (N Engl J Med 2010;363:2396-405.)

結果の部分にサンプルサイズが小さいことに言及しているのは珍しいですね。しかも、語数の限られた抄録で入れる、というのは、かなりこの部分をレビュアーに突っ込まれたのかもしれません。

CONCLUSIONS

Teriparatide may offer therapeutic potential for localized bone defects in the jaw. (N Engl J Med 2010;363:2396-405.)

サンプルサイズのこともあって、でしょうか、余計に"may"が気になりますね。

いかがでしたか?サンプルサイズに問題があっても掲載されています。それだけ、内容には意義があるということなのでしょう。今回の検討をもとにして、再度パワー計算を行い、十分なサンプルサイズで出した結果を、是非、見たいと思います。

NEJMのサイトはThe New England Journal of Medecineで見られます。abstractは無料で閲覧できますから、どうぞ。
抄録の日本語版は南江堂サイトのCurrent IssueまたはPast issuesから該当論文のものをご覧ください。1997年以降のNEJMアブストラクト和訳は発行年月と共にVol.番号とNo.番号によって並べられています。
当ブログでは発行年月はタイトルに含めていません。お手数ですが、タイトルに付記したVol.とNo.で見てくださいね。

お読みいただき、ありがとうございます。あなたのお役に立てましたでしょうか。
またのお越しをお待ちいたしております。
ブログランキング参加中。応援の1クリックをお願いします。

にほんブログ村 英語ブログ 洋書・洋楽・映画の英語へ

テーマ:医学英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

ABSTRACT | 08:20:18 | Trackback(0) | Comments(0)
言い換え表現を探してみる: N Engl J Med 2010;363(25):2385-95.
論文の中で同じ語・表現をずっと押し通しているものもあれば、さりげなく言い換えて回していくものもあります。
ちょっと気をつけて読むとそうした著者の工夫が見つかります。

下記のタイトルをクリックすると抄録が開きます。

Cardiac-Resynchronization Therapy for Mild-to-Moderate Heart Failure (N Engl J Med 2010;363:2385-95.)

今回は「ハテナ起点」は明示されていません。

では、早速抄録を読んでいきましょう。

BACKGROUND

We evaluated whether adding CRT to an ICD and optimal medical therapy might reduce mortality and morbidity among such patients. (N Engl J Med 2010;363:2385-95.)

mortality and morbidity 死亡率と罹患率

よく見かけるペアではありますが、この話においては今ひとつピンとこない...でも大丈夫です。この続きを読めば、ピントが合ってきます。

METHODS

The primary outcome was death from any cause or hospitalization for heart failure. (N Engl J Med 2010;363:2385-95.)

ここに具体的に書かれています。つまり、
mortality → death from any cause
morbidity → hospitalization for heart failure

というわけです。うまく言い換えて説明を加えていますね。

METHODS

The primary outcome occurred in 297 of 894 patients (33.2%) in the ICD–CRT group and 364 of 904 patients (40.3%) in the ICD group (hazard ratio in the ICD–CRT group, 0.75; 95% confidence interval [CI], 0.64 to 0.87; P<0.001). (N Engl J Med 2010;363:2385-95.)

ハザード比の95%信頼区間をみると1が含まれていません。このことから、一次アウトカムにおいてICD-CRT群が有効であることがわかります。

CONCLUSIONS

Among patients with NYHA class II or III heart failure, a wide QRS complex, and left ventricular systolic dysfunction, the addition of CRT to an ICD reduced rates of death and hospitalization for heart failure. (N Engl J Med 2010;363:2385-95.)

amongのイメージを確認しておきましょう。

among
■基本イメージ
ごちゃごちゃ
雑多な集合体がイメージされています。個々のメンバーが明確に分かれて意識されていないのです。
『英単語イメージハンドブック』、青灯社、大西泰斗+ポール・マクベイ著)

実はBACKGROUNDでもamongが使われていました。気がついていましたか?
We evaluated whether adding CRT to an ICD and optimal medical therapy might reduce mortality and morbidity among such patients. (N Engl J Med 2010;363:2385-95.)

マイクとかジェーンとかという個々の顔が浮かぶ集団ではなくて、「雑多な集合体」としての対象者というイメージでしょうか。

いかがでしたか?ちょっとした語句の深みが見つかると楽しさがアップしますね。

NEJMのサイトはThe New England Journal of Medecineで見られます。abstractは無料で閲覧できますから、どうぞ。
抄録の日本語版は南江堂サイトのCurrent IssueまたはPast issuesから該当論文のものをご覧ください。1997年以降のNEJMアブストラクト和訳は発行年月と共にVol.番号とNo.番号によって並べられています。
当ブログでは発行年月はタイトルに含めていません。お手数ですが、タイトルに付記したVol.とNo.で見てくださいね。

お読みいただき、ありがとうございます。あなたのお役に立てましたでしょうか。
またのお越しをお待ちいたしております。
ブログランキング参加中。応援の1クリックをお願いします。

にほんブログ村 英語ブログ 洋書・洋楽・映画の英語へ

テーマ:医学英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

ABSTRACT | 07:44:47 | Trackback(0) | Comments(3)
結果の解釈はさまざま: N Engl J Med 2010;363(24):2301-9.
事実をどう解釈するか、というのは実生活においてもなかなか難しい問題です。
こと、科学論文においても、それは同じようです。

下記のタイトルをクリックすると抄録が開きます。

Telemonitoring in Patients with Heart Failure (N Engl J Med 2010;363:2301-9.)

今回の論文のきっかけとなった疑問(「ハテナ起点」)はこちらです。

Small studies suggest that telemonitoring may improve heart-failure outcomes, but its effect in a large trial has not been established. (N Engl J Med 2010;363:2301-9.)

"..., but ... not been established"のパターンですね。

では、早速抄録を読んでいきましょう。

BACKGROUND

Small studies suggest that telemonitoring may improve heart-failure outcomes, but its effect in a large trial has not been established. (N Engl J Med 2010;363:2301-9.)

mayが出てきましたね。例の「確率半々」というやつです。(『ハートで感じる英文法―NHK3か月トピック英会話 (語学シリーズ)』、NHK出版、大西泰斗、ポール・マクベイ著)現在形なので、ちょっと強めの「半々」でしょうか。

METHODS

Telemonitoring was accomplished by means of a telephone-based interactive voice-response system that collected daily information about symptoms and weight that was reviewed by the patients' clinicians. (N Engl J Med 2010;363:2301-9.)

telemonitoringの内容を説明しています。症状と体重を尋ねる自動応答システムのようですね。

The primary end point was readmission for any reason or death from any cause within 180 days after enrollment. (N Engl J Med 2010;363:2301-9.)

一次エンドポイントが記されています。

RESULTS

The telemonitoring group and the usual-care group did not differ significantly with respect to the primary end point, which occurred in 52.3% and 51.5% of patients, respectively (difference, 0.8 percentage points; 95% confidence interval [CI], -4.0 to 5.6; P=0.75 by the chi-square test). (N Engl J Med 2010;363:2301-9.)

一次エンドポイントにおいて有意差はなかったとあります。95%信頼区間を見ても、たしかに差はありませんね。

CONCLUSIONS

Among patients recently hospitalized for heart failure, telemonitoring did not improve outcomes. (N Engl J Med 2010;363:2301-9.)

予後の改善を目指して実施した試験でしたが、結果は「改善なし」でした。

The results indicate the importance of a thorough, independent evaluation of disease-management strategies before their adoption. (N Engl J Med 2010;363:2301-9.)

その結果の原因として考え得ることを提示しています。ちょっと抽象的な書き方です。具体的に何を言っているのかは,本文を見なくてはいけません。

いかがでしたか?telemonitoringの有用性は出せなかったという試験ですが、逆に見ると、通常の外来診療と同等だった、というところに外来医としては反省すべきところもあるかと感じました。「具合はどうか?」「体重は増えてないか?」で終わってしまう外来だと、機械応答のtelemonitoringと変わらないのだ、という事実を数字で見せてもらった気がしました。深く反省。

NEJMのサイトはThe New England Journal of Medecineで見られます。abstractは無料で閲覧できますから、どうぞ。
抄録の日本語版は南江堂サイトのCurrent IssueまたはPast issuesから該当論文のものをご覧ください。1997年以降のNEJMアブストラクト和訳は発行年月と共にVol.番号とNo.番号によって並べられています。
当ブログでは発行年月はタイトルに含めていません。お手数ですが、タイトルに付記したVol.とNo.で見てくださいね。

お読みいただき、ありがとうございます。あなたのお役に立てましたでしょうか。
またのお越しをお待ちいたしております。
ブログランキング参加中。応援の1クリックをお願いします。

にほんブログ村 英語ブログ 洋書・洋楽・映画の英語へ

テーマ:医学英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

ABSTRACT | 08:24:15 | Trackback(0) | Comments(4)
一次アウトカムを追いかける: N Engl J Med 2010;363(24):2287-300
The New England Journal of Medicineの抄録は250語以内と投稿規定で定められています。
ただし、今回のものはワードで数えてみたら360語でした。
見た目でもちょっと長いなあ、と感じたのですが、例外もあるのでしょうか?

下記のタイトルをクリックすると抄録が開きます。

In-Center Hemodialysis Six Times per Week versus Three Times per Week (N Engl J Med 2010;363:2287-300.)

今回は「ハテナ起点」は提示されていません。

では、早速抄録を読んでいきましょう。

BACKGROUND

In this randomized clinical trial, we aimed to determine whether increasing the frequency of in-center hemodialysis would result in beneficial changes in left ventricular mass, self-reported physical health, and other intermediate outcomes among patients undergoing maintenance hemodialysis. (N Engl J Med 2010;363:2287-300.)

長い一文です。研究デザインと目的を述べています。

METHODS

The two coprimary composite outcomes were death or change (from baseline to 12 months) in left ventricular mass, as assessed by cardiac magnetic resonance imaging, and death or change in the physical-health composite score of the RAND 36-item health survey. (N Engl J Med 2010;363:2287-300.)

一次アウトカムは複合であり、2つあることが述べられています。これが研究の軸となります。

RESULTS

Frequent hemodialysis was associated with significant benefits with respect to both coprimary composite outcomes (hazard ratio for death or increase in left ventricular mass, 0.61; 95% confidence interval [CI], 0.46 to 0.82; hazard ratio for death or a decrease in the physical-health composite score, 0.70; 95% CI, 0.53 to 0.92). (N Engl J Med 2010;363:2287-300.)

ここにふたつの一次複合アウトカムの結果が書かれています。95%CIをみても、いずれも有意ですね。

CONCLUSIONS

Frequent hemodialysis, as compared with conventional hemodialysis, was associated with favorable results with respect to the composite outcomes of death or change in left ventricular mass and death or change in a physical-health composite score but prompted more frequent interventions related to vascular access. (N Engl J Med 2010;363:2287-300.)

prompted 誘発する

いかがでしたか?語数は多いのですが、内容はすっきりとまとまっています。あと100語ここから削るのは難しいかもしれませんね。

NEJMのサイトはThe New England Journal of Medecineで見られます。abstractは無料で閲覧できますから、どうぞ。
抄録の日本語版は南江堂サイトのCurrent IssueまたはPast issuesから該当論文のものをご覧ください。1997年以降のNEJMアブストラクト和訳は発行年月と共にVol.番号とNo.番号によって並べられています。
当ブログでは発行年月はタイトルに含めていません。お手数ですが、タイトルに付記したVol.とNo.で見てくださいね。

お読みいただき、ありがとうございます。あなたのお役に立てましたでしょうか。
またのお越しをお待ちいたしております。
ブログランキング参加中。応援の1クリックをお願いします。

にほんブログ村 英語ブログ 洋書・洋楽・映画の英語へ

テーマ:医学英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

ABSTRACT | 06:36:00 | Trackback(0) | Comments(0)
コホート研究を読む: N Engl J Med 2010;363:2114-23.
研究デザインには前向き研究と後ろ向き研究のふたつがあります。
今回読む論文は、その前向き研究を行ったものです。

下記のタイトルをクリックすると抄録が開きます。

Use of Proton-Pump Inhibitors in Early Pregnancy and the Risk of Birth Defects (N Engl J Med 2010;363(22):2114-23.

今回の「ハテナ起点(論文のきっかけとなった疑問)」はこのあたりにあります。

Symptoms of gastroesophageal reflux are common in pregnancy, but there are limited data on the risk of birth defects associated with exposure to proton-pump inhibitors (PPIs) in early pregnancy. (N Engl J Med 2010;363:2114-23.)

では、早速抄録を読んでいきましょう。

BACKGROUND

Symptoms of gastroesophageal reflux are common in pregnancy, but there are limited data on the risk of birth defects associated with exposure to proton-pump inhibitors (PPIs) in early pregnancy. (N Engl J Med 2010;363:2114-23.)

but there are limited data on 限られたデータしかない

すべて現在形で書かれています。「今、そうなんだよ」という即時的な印象があります。

METHODS

We conducted a cohort study to assess the association between exposure to PPIs during pregnancy and the risk of major birth defects among all infants born alive in Denmark between January 1996 and September 2008. (N Engl J Med 2010;363:2114-23.)

研究デザインを示しています。コホート研究についての解説を『たったこれだけ!統計学』(奥田千惠子訳、金芳堂)で見てみます。

Cohort study コホート研究
1つのグループ(コホート)を経時的に追跡し、処置やリスクファクターの影響を調べる前向きの観察研究.


ちなみにこちらの原著"Medical Statistics Made Easy"(M Harris and G.Taylor, Scion)ではこうなっています。

Cohort study
A prospective, observational study that follows a group (cohort) over a period of time and investigates the effect of a treatment or risk factor.


RESULTS

Among 840,968 live births, 5082 involved exposure to PPIs between 4 weeks before conception and the end of the first trimester of pregnancy. (N Engl J Med 2010;363:2114-23.)

betweenの中身が長いので惑わされないように。

There were 174 major birth defects in infants whose mothers had been exposed to PPIs during this period (3.4%), as compared with 21,811 in the group whose mothers had not been exposed (2.6%) (adjusted prevalence odds ratio, 1.23; 95% confidence interval [CI], 1.05 to 1.44). (N Engl J Med 2010;363:2114-23.)

95%信頼区間は1を越えています。設定された観察期間においてはPPIの影響もあると考えていいようです。

In analyses limited to exposure during the first trimester, there were 118 major birth defects among 3651 infants exposed to PPIs (3.2%), and the adjusted prevalence odds ratio was 1.10 (95% CI, 0.91 to 1.34). (N Engl J Med 2010;363:2114-23.)

しかし、妊娠第1期に限定すれば、CIに1が含まれていることから、影響なしと考えられます。

CONCLUSIONS

In this large cohort, exposure to PPIs during the first trimester of pregnancy was not associated with a significantly increased risk of major birth defects. (N Engl J Med 2010;363:2114-23.)

結論としては妊娠第1期の結果をもってきています。そもそも「ハテナ起点」は妊娠初期におけるPPIの影響だったので、呼応はしています。

NEJMのサイトはThe New England Journal of Medecineで見られます。abstractは無料で閲覧できますから、どうぞ。
抄録の日本語版は南江堂サイトのCurrent IssueまたはPast issuesから該当論文のものをご覧ください。1997年以降のNEJMアブストラクト和訳は発行年月と共にVol.番号とNo.番号によって並べられています。
当ブログでは発行年月はタイトルに含めていません。お手数ですが、タイトルに付記したVol.とNo.で見てくださいね。

お読みいただき、ありがとうございます。あなたのお役に立てましたでしょうか。
またのお越しをお待ちいたしております。
ブログランキング参加中。応援の1クリックをお願いします。

にほんブログ村 英語ブログ 洋書・洋楽・映画の英語へ

テーマ:医学英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

ABSTRACT | 06:46:15 | Trackback(0) | Comments(0)
統計学的パワーを中心に置くと:N Engl J Med 2010;363:2102-13.
年末年始、美味しいモノがてんこ盛りで、体重計が気になりますね。
「ダイエット法は数々あれど..」というのは一般世間の,と同時に医療界でも同様の嘆息です。

下記のタイトルをクリックすると抄録が開きます。

Diets with High or Low Protein Content and Glycemic Index for Weight-Loss Maintenance (N Engl J Med 2010;363:2102-13.)

今回は「ハテナ起点」は明示されていません。

では、早速抄録を読んでいきましょう。

BACKGROUND

Studies of weight-control diets that are high in protein or low in glycemic index have reached varied conclusions, probably owing to the fact that the studies had insufficient power. (N Engl J Med 2010;363:2102-13.)

これまでの混迷は「統計学的検出力 power 不足」が原因だ、と喝破しています。こういう問題提起はこれまであまり見かけませんでした。
ここで、「統計学的検出力」がなんのことかわからないと、この論文の意図するところがつかめません。
『たったこれだけ!統計学』(奥田千惠子訳、金芳堂)では次のように説明しています。

Power:パワー
研究のパワーとは、統計学的に有意な(significant)差を検出できる確率である。


検出力(パワー)不足とはどういうことか、というと、

nの数が少ないばかりに、本来は臨床的な意義があるのに、統計的に有意差が得られていない『臨床医による臨床医のための本当はやさしい臨床統計―一流論文に使われる統計手法はこれだ! (EBMライブラリー)』(野村英樹・松倉知晴、中山書店)より引用)

ということになります。
ここまでつかんでいれば、「この論文はnを必要量確保して行った研究なのだな」と予想できますね。

METHODS

Participants were randomly assigned, in a two-by-two factorial design, to one of five ad libitum diets to prevent weight regain over a 26-week period: a low-protein and low-glycemic-index diet, a low-protein and high-glycemic-index diet, a high-protein and low-glycemic-index diet, a high-protein and high-glycemic-index diet, or a control diet. (N Engl J Med 2010;363:2102-13.)

ad libitum diets 総カロリー数は自由裁量の食事

コントロール群も入れて5群に分けて実施しています。

CONCLUSIONS

In an intention-to-treat analysis, the weight regain was 0.93 kg less (95% CI, 0.31 to 1.55) in the groups assigned to a high-protein diet than in those assigned to a low-protein diet (P=0.003) and 0.95 kg less (95% CI, 0.33 to 1.57) in the groups assigned to a low-glycemic-index diet than in those assigned to a high-glycemic-index diet (P=0.003). (N Engl J Med 2010;363:2102-13.)

体重の再増加を比較しています。そういえば、一次エンドポイントは明示されていませんでしたね。

CONCLUSIONS

In this large European study, a modest increase in protein content and a modest reduction in the glycemic index led to an improvement in study completion and maintenance of weight loss. (N Engl J Med 2010;363:2102-13.)

modest 適度の

結果が「適度の」という語に置き換えられています。どのあたりが適度なのでしょうか?

いかがでしたか?どういうパワー計算を行って実施したのか、本文を読みたいですね。

NEJMのサイトはThe New England Journal of Medecineで見られます。abstractは無料で閲覧できますから、どうぞ。
抄録の日本語版は南江堂サイトへ。

お読みいただき、ありがとうございます。あなたのお役に立てましたでしょうか。
またのお越しをお待ちいたしております。
ブログランキング参加中。応援の1クリックをお願いします。

にほんブログ村 英語ブログ 洋書・洋楽・映画の英語へ

テーマ:医学英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

ABSTRACT | 06:43:05 | Trackback(0) | Comments(2)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。