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投稿日:2010-07-16 Fri
画期的に効果のある治療法が見つかることは理想的ですが、現実にはなかなかそうもいきません。でも、わずかでも有意に効く可能性があれば、そこを丹念にかぎ分けて、よりよい治療を探索することが全体の底上げにつながります。
今回の論文はそうした試みを取り扱った内容です。
下記のタイトルをクリックすると抄録が開きます。
Rituximab versus Cyclophosphamide in ANCA-Associated Renal Vasculitis (N Engl J Med 2010;363:211-20.)
今回は、はっきりとした「はてな表現」はありません。
では、早速抄録を読んでいきましょう。
BACKGROUND
Treatment with rituximab has led to remission rates of 80 to 90% among patients with refractory ANCA-associated vasculitis and may be safer than cyclophosphamide regimens. (N Engl J Med 2010;363:211-20.)
このmay一語に「はてな起点」の含みを持たせています。いつもながら大西先生の解説によれば、
mayは「閉ざされていない」
というイメージで、可能性は五分五分、というところになります。(参考:『ハートで感じる英文法』大西泰斗/ポール・マクベイ著、NHK出版)
この際どいところに有意差があるかどうかを調べた研究です。
METHODS
Primary end points were sustained remission rates at 12 months and severe adverse events. (N Engl J Med 2010;363:211-20.)
sustained remission rates 寛解維持率
sustainは「維持する、持続する」です。サステイナビリティ、などとカタカナで日本語にも入りつつあります。
RESULTS
A total of 25 patients in the rituximab group (76%) and 9 patients in the control group (82%) had a sustained remission (P=0.68). (N Engl J Med 2010;363:211-20.)
ここではa sustained remissionの冠詞が"a"になっています。イメージは「ひとつに決まらない」です。(『ハートで感じる英文法』より)カテゴリーとしてある程度、幅を持っている、ということからの冠詞でしょうか?
CONCLUSIONS
A rituximab-based regimen was not superior to standard intravenous cyclophosphamide for severe ANCA-associated vasculitis. Sustained-remission rates were high in both groups, and the rituximab-based regimen was not associated with reductions in early severe adverse events. (N Engl J Med 2010;363:211-20.)
「優れてはいなかった」という結論に、inferiorを使っていないところが、統計結果を踏まえた表現なのでしょうか。
いかがでしたか。この結果を著者らがどのように解釈しているのか、気になりますね。アブストラクトではそこまで記載されていませんから、本文で、ということなのでしょう。
NEJMのサイトはThe New England Journal of Medecineで見られます。abstractは無料で閲覧できますから、どうぞ。
抄録の日本語版は南江堂サイトへ。
お読みいただき、ありがとうございます。あなたのお役に立てましたでしょうか。
またのお越しをお待ちいたしております。
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