■このブログ内の引用文について

本ブログは、The New England Journal of Medicine Permission Departmentより、「The New England Journal of Medicine本誌からの文単位での引用に許諾は不要」との見解をいただいた上で、運用しております。更に、「文章を抜き出してサマリーを書いてよい」との文言もいただいております。

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Dr. Joy

Author:Dr. Joy
ごく普通の町でごく普通に医者をやってます。
ごく普通の患者さんたちを相手にしていて、
診察室に入ってくる人が英語をしゃべったりするのは数年に1度あるかないか。
そんな私に必要な英語力って何?

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週イチ統計を読む: N Engl J Med 2010;362:2251-9.
The New England Journal of Medicineの論文で統計の勉強をします。
苦手な統計ですが、「習うより慣れろ」で、読みながら身につけたいと思います。

今回取り上げる論文はこちら。

Nilotinib versus Imatinib for Newly Diagnosed Chronic Myeloid Leukemia (N Engl J Med 2010;362:2251-9.)

残念ながら、無料閲覧の論文ではありません。最寄りの図書館で閲覧してくださいね。

お世話になっている参考書はこちらです。

臨床医による臨床医のための本当はやさしい臨床統計―一流論文に使われる統計手法はこれだ! (EBMライブラリー)  (野村英樹/松倉知晴著、中山書店)【略称:やさ臨】

ドキドキワクワク論文☆吟味。医学統計ライブスタイル (山崎力著、SCICUS)【略称:ドキワク】

医療系研究論文の読み方・まとめ方――論文のPECOから正しい統計的判断まで (対馬栄輝著、東京図書)【略称:読みまと】

すぐわかる統計用語 (石村貞夫/デズモンド・アレン著、東京図書)【略称:すぐわか】

では、やさ臨の手順に沿って、論文を読んでいきます。
その手順はこちら。

D:Design 研究デザイン
P:Power パワー計算
E:Primary end point 一次エンドポイント
S:Statistics 統計

[研究デザイン]

In this phase 3, randomized, open-label, multicenter study, we assigned 846 patients with chronic-phase Philadelphia chromosome–positive CML in a 1:1:1 ratio to receive nilotinib (at a dose of either 300 mg or 400 mg twice daily) or imatinib (at a dose of 400 mg once daily). (N Engl J Med 2010;362:2251-9.)

Abstractに書いてあります。
ランダム化オープンラベル多施設試験となっています。

[パワー計算]

The sample-size calculation for this study was based on a 15% (55% vs 40%)
increase in MMR rate for the nilotinib arms vs imatinib
. The study had 90% power
to detect such a difference (at the 5% significance level based on stratified CMH
test).
(N Engl J Med 2010;362:2251-9.)

MMR: major molecular response at 12 months
CMH test: Cochrane-Mantel-Haenszel test


こちらは、本誌にも載っていなくて、ウェブ上にあるSupplementary Appendixにあります。
やさ臨に従って、パワー計算に必要な情報をチェックしてみます。
・アウトカムの種類:二者択一
・許容できるαエラーとβエラー:αエラーは5%、βエラーは10%
・「臨床的に意義がある」と考える差の大きさ:対照群と比してMMR率15%の増加
・実験群と対照群のnの比:1(これはabstractからの情報)

[一次エンドポイント]

The primary end point was the rate of major molecular response at 12 months. (N Engl J Med 2010;362:2251-9.)

12ヵ月目のMMR率としています。

[統計]

The results in the intention-to-treat population were calculated by means of the Cochran–Mantel–Haenszel test, stratified according to the Sokal risk group, after the last patient had completed 12 cycles of therapy (with a 28-day duration for each cycle). Nilotinib was administered at a dose of either 300 mg or 400 mg twice daily, and imatinib at a dose of 400 mg once daily. (N Engl J Med 2010;362:2251-9.)

これは、本文中Fig.1の説明文です。
ITT解析を行い、Cochrane-Mantel-Haenszel testで検定したとあります。
Cochrane-Mantel-Haenszel testは別名Mantel-Haenszel testともいいます。(Cochran–Mantel–Haenszel test for repeated tests of independence)
統計の名称は初心者には馴染みがないものが多くて、見るだけでくじけそうになります。
そこをなんとか踏みとどまって、参考書を見てみます。

χ2独立性の検定で交絡を考慮するときは、マンテル・ヘンツェル検定 Mantel-Haenszel testという検定がある。(読みまと、p.191)

「交絡」についての説明は次の通り。

原因と思われる項目と結果が関連性(因果関係)をもつとき、その背後に存在する隠れた要因を交絡因子 confounding factorといい、交絡因子が存在することを交絡confoundingと呼ぶ。(読みまと、p.57)

やさ臨では、CMH testについて「複数の4分表をまとめて検定」すると説明しています。(やさ臨、p.92)
ここでもとの文章を見てみると、

...stratified according to the Sokal risk group, ...

というくだりがあり、Sokal risk群で分けて検討していることがわかります。

CMH検定は、

治療の有効率を対照群と比較するとき、それぞれの群の内訳も考慮して、有意な差があるかどうかをみる方法

と考えられます。

ドキワクの論文吟味までは届きませんでしたので、それはまた別の論文で挑戦します。

<今日のまとめ>
Cochrane-Mantel-Haenszel testの使い道
・リスク分けなどの細かい内訳を含む集団で、治療群とコントロール群を比較する
・どのような「交絡因子」であるかを明示する

いかがでしたか?
いろいろ調べながら、勉強していきたいと思っています。

NEJMのサイトはThe New England Journal of Medecineで見られます。abstractは無料で閲覧できますから、どうぞ。
抄録の日本語版は南江堂サイトへ。

お読みいただき、ありがとうございます。あなたのお役に立てましたでしょうか。
またのお越しをお待ちいたしております。
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テーマ:医学英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

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